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クロノキシノブ Lepisorus nigripes T.Fujiw., Seriz. et Watano

クロノキシノブは2018年に記載された種である。それまではノキシノブの山地型とされていたそうだ。ノキシノブとナガオノキシノブのゲノムを持っているらしく、後者の影響だろうか葉身もやや細身で葉柄が長めの傾向がある。

黒っぽい葉柄とやや間隔を空けて葉をつけることに注意すれば、ノキシノブとの区別は難しくない。ただし、葉柄が色付かない葉や個体群があったり、逆にノキシノブであっても葉柄が色づいたものがあるので注意が必要である。やや多肉質なノキシノブと比べると、葉質が若干薄く・平坦な印象があるので、この特徴を補助的に使うと同定の安心材料になるかもしれない。また、ノキシノブに比べて葉身の色が黒っぽいことが多い。見慣れてくると典型的な個体では判断に迷わない気がするが、葉裏の鱗片の観察も併せて総合的に判断するの方が無難である。雑種もあるはず。

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葉柄が黒っぽいのが分かる。ただし、色付きが甘い葉もある 東京都八王子市 2019.6.8

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ノキシノブより葉身が細い傾向があると思う 栃木県鹿沼市 2020.8.15

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石垣やコンクリ壁などの人工的環境にも多い 栃木県鹿沼市 2020.8.15

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ノキシノブに比べて葉と葉の間隔が広い(右はヒメノキシノブ) ​栃木県鹿沼市 2020.8.15

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クロノキシノブ(葉身13cm前後)の葉裏の鱗片。順に、葉身上部(×2)・葉身中部(×2)・葉身下部のもの。やや荒い鋸歯が見られる。小さい鱗片では先端が尾状になる

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ノキシノブ(葉身20cm前後)の葉裏の鱗片。順に、ソーラス近く・葉身やや上部・葉身中部(×2)・葉身下部のもの。鱗片によってはやや荒い鋸歯が見られる

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